今回は十二国記シリーズの第4弾!
『風の万里 黎明の空』を読んでみました。
この小説は第1作目となる『月の影 影の海』の続きとなります。
遂に主人公である陽子が再登場し、盛り上がりを見せる巻となります。
では紹介に移ります。
風の万里 黎明の空
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本の概要
この本は小野不由美さんの代表作、十二国記シリーズの第4作目となる小説です。
この作品は異世界を舞台にしたファンタジー小説となります。
本作は、1巻の『月の影 影の海』の主人公の陽子が慶国の王となり、赤王朝の始まる頃から物語が始まっていきます。
そして、陽子を中心に新しい登場人物である大木鈴(おおき すず)、祥瓊(しょうけい)の物語が交互に描かれていきます。
まだ十二国記を見たことがない方は、まずは1巻の『月の影 影の海』の記事も載せてありますので、参考にしてもらえると嬉しいです。
あらすじ
人は、自分の悲しみのために涙する。陽子は、慶国の玉座に就きながらも役割を果たせず、女王ゆえ信頼を得られぬ己に苦悩していた。祥瓊(しょうけい)は、芳国(ほうこく)国王である父が簒奪者(さんだつしゃ)に殺され、平穏な暮らしを失くし哭(な)いていた。そして鈴は、蓬莱(ほうらい)から辿り着いた才国(さいこく)で、苦行を強いられ泣いていた。それぞれの苦難(くるしみ)を負う少女たちは、葛藤と嫉妬と羨望を抱きながらも幸福(しあわせ)を信じて歩き出すのだが──。
出典:Amazon 風の万里 黎明の空(上)の内容紹介より
王は人々の希望。だから会いに行く。景王陽子は街に下り、重税や苦役に喘ぐ民の暮らしを目の当たりにして、不甲斐なさに苦悶する。祥瓊は弑逆された父の非道を知って恥じ、自分と同じ年頃で王となった少女に会いに行く。鈴もまた、華軒(くるま)に轢き殺された友の仇討ちを誓う──王が苦難(くるしみ)から救ってくれると信じ、慶を目指すのだが、邂逅(であい)を果たす少女たちに安寧(やすらぎ)は訪れるのか。運命は如何に!
出典:Amazon 風の万里 黎明の空(下)の内容紹介より
まず、本書は3人がキーパーソンです。
その一人一人を紹介していきます。
登場人物① 陽子
陽子は1作目の『月の影 影の海』の主人公です。
その主人公が慶国の王についた直後の話となります。
陽子は海客であり、異世界のことは何も知らない状態でした。
何も知らない陽子は政をしなければいけない立場であるのに、何をすればいいのかわからないため、臣下に任せていました。
また、臣下は前王の予王に使えていたものばかりで陽子の味方は麒麟の景麒しかおらず、どこかしからか反発を受けていました。
また前王は女王であり、その前の王も女王でした。
その女王は長くは政をすることができず、慶国は日に日に衰え、国は荒れ果てました。
そんなこともあり、陽子が王についたとき国民は喜びよりも不安の方が大きかったようでした。
そして陽子はみすみす国を荒らすことになるのを恐れながらも、官の顔色を伺いながら王座につく王ならば、斃れてしまった方がいいと思うようになりました。
よって、陽子は全権を麒麟の景麒に任せ、自分は王宮を飛び出し街で暮らすことを決意します。
この国の事情を知るために動き出すのです・・・
登場人物② 大木 鈴
鈴は親によって海に捨てられ海客となります。
こちらの国のことを何も知らない鈴は仙になり、梨耀(りよう)の下僕として働くことになります。
そんな鈴は毎日梨耀に無理難題を押し付けられ、いじめにあっていました。
そして鈴と同じ海客である陽子が慶国の王座についたことを聞かされ、会ってみたいと思うようになります。
鈴は梨耀から逃れるために、助けを求めにいくのです・・・
登場人物③ 祥瓊
祥瓊は芳国の王の娘でした。
その王の名を芳王仲韃(ほうおうちゅうたつ)といい、法を布告するたびに法の保護を拒絶する浮民が現れ始めると処罰を加え始めます。
その処罰がエスカレートしていき、遂に月渓(げつけい)という男によって父母は討たれてしまいます。
祥瓊自身は命を助けられたものの、公主の地位は剥奪され農民の暮らしをさせられます。
祥瓊を世話するのは伍姆(ごぼ)という人でした。
芳王仲韃の娘ということを知った伍姆は、祥瓊には厳しく当たり続けました。
そんな祥瓊は、慶国の王座に自分と同じほど歳の王がついたことを知り、自分が農民の暮らしをしている中で王座についている陽子を逆恨みするようになります。
そして祥瓊は村の人たちに仲韃の娘であることがバレてしまい、処刑されることになります・・・
この3人の少女が物語の中心となって、進んでいきます。
感想(ネタバレ注意!!!)
まず、今までの十二国記シリーズの中で一番面白い作品でした。
上巻では鈴の不幸自慢と祥瓊の簒奪者への恨みはあまりいい気がしませんが、下巻では成長が見られます。
この2人は慶国に向かうことになるのですが、とてもいい仲間に出会えて安心しました。
注目ポイント① 楽俊再登場!
楽俊は景王である陽子を助け、祥瓊をも助けてくれる心の広さに「さすが楽俊!」と思い、よくできたネズミだと思いました。
楽俊は祥瓊にいろいろなことを教えます。
「公主とは何か?」がメインですね。
本当に楽俊は流石の一言です!
注目ポイント② 鈴の成長がすごい!
鈴は不幸話が絶えないのですが、家族を妖魔に喰われた少年の清秀(せいしゅう)に出会い、自分が不幸自慢していたことを自覚します。
そんな鈴が清秀のために立ち上がるところは感動です。
自分勝手な鈴ですが、成長を見ていくだけでも楽しかったです。
注目ポイント③ やはり陽子の活躍がすごい!
やはり「陽子はやってくれた!」という感じでした。
陽子は無能な女王が続いた慶国を新しく導いていくために、遠甫(えんほ)に教えを乞うのですが、そこで出会う人が個性あふれる人でいっぱいです。
そして下巻は陽子のカッコイイ姿が描かれており、なかでも下巻の20章は鳥肌ものでした。
また陽子の戦闘シーンが多く描かれており、戦争も描かれているためとても迫力があります。
まとめ
今回は3人が主人公と言ってもいいほど、祥瓊と鈴はキーパーソンです。
そんな少女3人のものが描かれています。
私はこんな人にこの作品をオススメしたいと思います。
- 十二国記の一巻を読んだ方
- シリーズものを読みたい方
- 続きを読みたい方
こうなると5巻が楽しみです!
では、十二国記の世界に浸ってきます。
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